南天龍宮城(3)


【本尊阿弥陀如来】

 ナグプールという都市についてはHP上写真で見られたし。現地日本人会もあり、また写真家山本宗輔氏のものや、日蓮宗僧の動画などもある。
 小生は第一に龍の存在に関心が在るわけで、佐々井師との邂逅は少なくとも九百年間の時日に準備されていたものである。それも亦龍樹菩薩を支点とするなら五万年の夢を食さ無ければならない。
 さて平成22年10月18日に南天ナグプールに龍樹菩薩大寺開創建立成就したわけであるが、「四月二十三日南天渡航をたのしみにしつつ」記したものがある。

 次に何故小生がインドに行き、何を秀嶺師即ち竜樹菩薩大寺に寄与できるかである。
 発端は本尊阿弥陀如来であることの是非である。それに対して覚鑁上人の五輪九字明秘密釈を想起したことにある。『ブッダとそのダンマ』における秀嶺師の「再刊によせて」を読んだのは大分後日のことである。そこには南天竜宮城沙羯羅竜王やさらに竜尊仏文殊師利菩薩のことどもにまで言及しておられたのには、改めて驚かされたのである。
 「増上慢の比丘、高僧、阿闍梨達にはうかがい知れぬ本化の境界、地下大修行の境界を知り得ず、観えず、聞こえず・・・」
 そして「竜樹菩薩に招命され」たと記しておられる。まさしく覚鑁上人の体験、宝生房の霊示に連動しているものではないか。この宝生房が誰なのか調べたところ、教尋と解った。根来寺大伝法院の学頭に招聘された僧である。さらにこの人は文殊師利信仰が厚く、死に際しての来迎譚などが伝わっていたのである。先の秀嶺師の「竜尊仏文殊師利菩薩」に符号することなのである。
 このことは法華経提婆達多品の物語に出てくる事柄、つまり龍神(竜王)との物語には文殊菩薩が欠かせないのである。

 以下略


 竜樹菩薩大寺の建立された地は「マンセル」と称す。これこそマンジュシリ=文殊菩薩ではないか。秀嶺師が発掘した南天竜宮城寺跡はマンセル連峰の一角にある。竜尊仏=文殊菩薩の実態が現出している。否!露堂々と顕然していると云っても良いものなのである。


【文殊師利菩薩大寺の内陣】


【建設中の龍樹菩薩大寺】
〜手前右レンガ台上に菩薩の大石像が据えられる〜



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