インド紀行 英林


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 昨夏、インドのスズキ系列の工場で3000人規模の暴動が起きた。様々な事情があったのだろうが、監督者が従業員に対しカーストを差別するような発言をしたことが一因だと言われている。仏教史以前から存在するカースト制度。勝手ながら国家発展の障壁に思えてならない。

 さて私が旅行した2月は気温が最低10℃最高24℃の一年で最も観光しやすい時期。降水量も少なく、旅行中一度だけ早朝に小雨が降った程度であった。関西国際空港を飛びだった air india 314便は若い人からお年寄りまで満席で、僧侶と見受けられる方々も大勢おられた。

 香港経由で八時間。デリー空港についた時は夜遅く、ホテルには深夜着。翌早朝、国内線にて中央インドのライプールへ。空港では佐々井氏と弟子の方々に歓迎を受け、マリーゴールドの花束を首にかけて下さった。(虫除けの意味もあるそうだ。)

 トヨタ製の乗用車で二時間。運転手曰く「インドでは撥ねられた方が悪い」と猛スピードで目的地まで走ってくれた。車窓から見えるモノといえば土色の建物、牛、ごみ、屋台のような商店、羊、犬、豚、牛糞、ひと、ひと、ひと・・・女性や子供が洗濯や水運びで忙しい一方、男性はチャイを飲みながら井戸端会議。首都デリー以外の地方では見慣れた景色となる。




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