インド紀行 英林


1−3

 インドは中国と共に新興国としてめまぐるしく経済発展中。総人口は十二億人を超え、言語はヒンディー語と六十五年前に独立するまでイギリス統治下にあった為に英語が中心です。が、州境を超えるとまったく違う言語で話され文化芸術もそれぞれ。そしてなにより特徴的なのはカーストという身分制度です。身分を四つの段階に分け、一番上からバラモン・クシャトリア・ヴァイシャ・シュードラとそれぞれの職種、役割が決まっていて、更にこのシュードラにも含まれないアウトカースト(不可触民)と呼ばれる最下層の人々が約1億人インド国内で生活しています。

 そんな現代の日本人からは理解しがたいカースト制度ですが、驚くことに人口の80%を占めるのがこの身分制度を根底としたヒンズー教徒であり、以下インドの宗教比率は、イスラム教13%、キリスト教2.3%、シーク教1.9%、仏教に至っては0.7%と巨大な象に挑む小さな蟻のような現状です。

 著作『必生 闘う仏教』にもあるように、カースト・ヒンズー教と相対峙する唯一独りの日本人である新仏教指導者佐々井秀嶺上人。次号からは師のインドでの事跡と共に混沌とした国インドを紹介していきます。




インド紀行1−2 / インド紀行 トップ / インド紀行2−1