駄家通信 21



−辺路札AB−

A仮名書きの札(右)
 実に難解なのは責めるわけにもゆかないが、とにかく解読には苦労させられる。
 真ん中の筋は、「をさめたてまつる」「をはる」とあるのは此の読みで正解であろう。次に向って左側。「四古九八十八あんら九のため」とある。右行が?「ちよう山まてちけみい」「君?郎」…まあこれ以上考え悩んでも仕方ない。むしろ女性の識字率がこのようにあがっていたことを良しとして置くか。


B少し漢字が多い札(左)
 漢字と言っても崩し字で仮名文字同様というか、むしろ読み取りにくいものである。コロンブスの卵みたいなことだ。

 あんせい四ねん 見登(し) 三月きち日
 ※巳年三月吉日

 をさめたてまつる 八十八か小 ときよ
 ※「か小」は「ケ所」、「ときよ」は「同行」、「を」は?

 婦んせん 古くら 九まちいてめ 二人
 ※豊前小倉、「いてめ」は「一丁目」か? 「二人」は「こん」にも見えるが…


 書いた本人は何等悪意はなく、(寺子屋でか)習った通り筆を走らせたのであろう。ことによれば小生などこれらに負けず、自らが読めない字を(ミミズを)這わせていることしばしである。―正月四日―


 次回は「鯉パク」の話!!



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