駄家通信 20


H24.12月下旬
−辺路札@AB−
【火除けの呪文歌】

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 これは札所巡りをしていると、目にすることがある呪文歌である。
 『弘法大師火除之歌』とあるが果して御大師さんがこんなものを唱えておられたものかは不明。むしろ有り得ない事、と考えられるが、如何であろうか。この呪文かは伝来していないが、小生らでも伝来の呪文があった。たとえば火傷の時とか、出来物(膿み出し)とか、歯痛、シャックリの時などに呪い(まじない)を行ったことがある。
 最近は耳にしなくなったが、いわゆる「疳の虫」を手指から追い出すこともあった。
 「猿沢の池の大蛇が目を覚まし、安治川の入道云々」と言った奴だ。どこか他所でも是に似た呪文歌を使った修験者の話があった。小生の四、五代前のおばあさんが伝承していたもので、このおばあさんは三島大権現を拝んでいたらしい。そのことと関係なく長男が結婚式を今治の大山積神社ですると言い出したのに驚いた。大山積神社の祭神こそは三島大権現であったからである。
 さて火除けの札である。

 霜柱、氷農はりに、雪能希た 阿め能たるき丹、露の婦き艸

このように書いたつもりであろう。上部地蔵尊印は少しは有難味を演出したものであろうか。たまさかこうして、札に押印してあるのを見かける。



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