御室本山・仁和寺参詣の記念品(刷り物)のこと
善通寺紀要 第19号より



 その6



【御詠歌】 つづき

A・四国地図


※『道指南』貞亨四年一六八七

六十六・雲邊寺
本ぞん千志ゆ
 者る/\と雲の本とりの
 寺にきて
 月日を今ハふもとにぞ
 見る
こまつをへ二り半

六十六・雲辺寺
本尊千手観音
者る/\とくもの
 本とりの寺尓きて
月日をいまハ
 ふもとにぞ見る

六十六〃雲邊寺
 者流/\とくもの本とりの寺尓来て
 月日をいま盤ふもと尓そ見累
小松尾迄二里半

六十七・小松尾寺
本ぞんやくし
 うへを記しこ松尾寺を
 ながむ連バ 
 のり能をしへのかぜぞ
 ふきぬる
ことひきへ二り

六十七・小松尾寺
本尊薬師如来
うへお記し小松尾
 てらをながむれバ
のり能をしへ乃
 かせぞふきぬる

六十七〃小松尾山
 植置し小松尾寺をなかむれハ 
 法のおしへの風そ婦き怒累
琴引迄二里

六十八・琴弾八幡
本ぞん阿ミだ
 ふへのねも松ふく風も
 ことひくも
 うたふもまふものりの
 こえ/\
く王んをんへ二丁

六十八・琴弾八幡
本地阿弥陀如来
ふえの音も松ふく
 かぜもことひくも
うたふもまふも
 のり能こへ/\

六十八番琴引八幡宮
 笛の音も松ふく風も琴引も
 うたふもまふもの里能こゑ/\
観音寺まて二町

六十九・観音寺
本ぞん志やうくハんをん
 くハんをんの大ひのちから
 つよ介連バ
 於も記つミをもひ記
 あげて多べ
もと山へ一り

六十九・観音寺
本尊正観音
くハんをんの大ひ能
 ちからつよけ連バ
おもきつミをも
 ひきあげてたべ

六十九〃観音寺
 觀音の大悲のちから徒よ介れハ
 おもきつミをも引あげてたべ
本山寺まて一里

七十・本山寺
本ぞん者とうくハんをん
 もとやまにた連かうへ介る
 花な連や
 者るこそたを連たむけ
 にぞなる
いやだにへ三り

七十・本山寺
本尊馬頭観音
もとやま尓たれか
 うへ介る花な連や
者るこそたをれ
 たむけ尓そなる

七十〃本山寺
本山尓たれかうへ介る花なれや
春こそ手をれたむけ尓そ成
弥谷じまて三里

七十一・弥谷寺
本ぞん千志ゆ
 あく人とゆ記つ連なんも
 いやだにじ
 多ヾかりそ免もよき
 ともぞよ記
まんだらへ一り

七十一・弥谷寺
本尊千手観音
あく人とゆ記つ連
 なんもいやだ尓じ
たヾかりそめも
 よ記ともぞよき

七十一番彌谷寺
 あく人とゆき川連なんもいやた尓じ
 只かりそめもよきともそ与き
まんだら寺まて一里

七十二・曼荼羅寺
本ぞん大にち
 王づかにもまんだら於がむ
 人ハ多ヾ
 ふたヽびミたびかえら
 さら満し
志ゆつ志やかへ三丁

七十二・曼荼羅寺
本尊大日如来
ワづか尓もまんだら
 おがむ人ハ多ヽ
ふたヽびミたび
 かへらざらまし

七十二〃万荼羅寺
 王川か尓もまんたらおかむ人盤たヽ
 二たびミたびかへ羅さら満し
出釋迦寺迄三町

七十三・出釈迦寺
本ぞん志やか
 満よひぬる六道しゆ生
 すく王んと
 多つと記や満にいづる
 志やかでら
かうの山へ三十丁

七十三・出釈迦寺
本尊釈迦如来
まよひぬる六道
 しゆじやうすくハんと
たつと記山尓
 いづる志やかでら

七十三〃出釋迦寺
 まよひぬる六道志ゆ志やう春くハんと
 たつとき山尓い川累志やか寺
甲山寺迄卅町

七十四・甲山寺
本ぞんやくし
 十二志んミかたにもてる
 いくさにハ
 於の連とこヽろかうの
 山かな
ぜんつうへ十丁

七十四・甲山寺
本尊薬師如来
十二じんミかた尓
 もてるいくさ尓ハ
おの連とこヽろ
 かうの山かな

七十四〃甲山寺
 十二神みかた尓もて流いくさ尓ハ
 をの連と古ヽろ甲山か那
善通寺迄十丁

七十五・善通寺
本ぞんやくし
 ワ連春満バよもきへ者てじ
 ぜんつうじ
 ふか支ちかひ能のり乃
 ともしび
こんぞうへ二十丁

七十五・善通寺
本尊薬師如来
ワ連す満バよもきへ
 者てしぜんつうじ
ふかきちかひの
 のり能ともし火

七十五番善通寺
 王れ春まバよもきえ者てし善通寺
 婦かきちかひの法のともしび
金倉寺迄廿丁

七十六・金倉寺
本ぞんやくし
 満ことにも志んぶつそうを
 ひらく連ハ
 志んごんかぢのふしぎ
 なり介り
だう里うへ一り

七十六・金倉寺

本尊薬師如来 満こと尓も志んぶつ
 そうをひらくれハ
志んごんかぢの
 ふしきなり介り

七十六〃金蔵寺
 ま古と尓も神佛僧をひ羅くれハ
 真言加持のふしぎなり介り
道隆寺まて一里

七十七・道隆寺
本ぞんやくし
 ねがひをバぶつだう里うに
 入者てヽ
 本だひの月を見まく
 本しさに
だうぢやうへ一り半

七十七・道隆寺
本尊薬師如来
年がひをバぶつだう
 里う尓入はてヽ
本だいの月
 見まく本しさ尓

七十七〃道隆寺
 祢かひをバ佛道隆尓入者亭ヽ
 本゛だひの月をみまく本しさに
道場寺迄一里半

七十八・道場寺
本ぞん阿ミだ
 於どり者ね祢んふつ申須
 だうぢやうし
 ひやうしをそろへかねを
 うつなり
志ゆとく天王へ一り半

七十八・道場寺
本尊阿弥陀如来
於どり者年ねんぶつ
 申すだう志やうじ
ひやうしをそろ* *=脱字
 か年をうつなり

七十八〃道場寺
 おとり者年念佛申道場寺
 ひやうしをそ路えか年を打也
志ゆとく天皇迄一里半

七十九・崇徳天王
本ぞん十一めん
 志゛やうらくのう記世の中を
 多づぬべし
 てん王うさへもさずらへ
 ぞ阿る
こくぶんへ一り半

七十九・摩尼珠院
本尊十一面観音
 志゛やうらくのう記世能
 なかをたづぬべし
てん王うさへも
 さすらへぞある

七十九〃崇徳天皇
 志゛やうらくのうきよの中を尋ぬへし
 天皇さへもさ春らへぞ有
國分寺迄一里半

八十・国分寺
本ぞん千志ゆ
 国をワけのや満を志の記
 てら/\に
 まい連る人を多春け
 満しませ
志ろミねへ五十丁

八十・國分寺
本尊千手観音
国を王けのやまを
 志のぎてら/\尓
まゐ連る人を
 たすけましませ

八十番國分寺
 く尓を王け野山を志のき寺/\尓
 まいれ流人をた春けましま須
白峯寺迄五十町

八十一・白峯寺
本ぞん千志ゆ
 志もさふくつゆ志ろたへの
 てらのうち
 ミなをとなふるのり能
 こへ/\
ねごろへ五十丁

八十一・白峰寺
本尊千手観音
志もさむく徒ゆ
 白たへのてら能うち
ミなをとなふる
 のりのこゑ/\

八十壱番白峯寺
 志もさむく徒ゆ白妙の寺農内
 ミなをとなふるのりのこへ/\
根来寺まて五十町

八十二・根来寺
本ぞん千志ゆ
 宵の間のたへふる志もの
 きへぬ連バ
 阿とこそかねのごんぎやう
 のこへ
一もミやへ二り半

八十二・根来寺
本尊千手観音
宵のま能たへふる
 志ものきへぬ連バ
阿とこそか年の
 ごんぎやう能こへ

八十二番根香寺
 よひのまのたえふる霜のきえぬれハ
 あとこそか年の古んぎやうのこゑ
一宮迄二里半

八十三・一の宮
本ぞん志やうくハんをん
 さぬき一のミやのミまへ尓
 あふぎヽて
 かミのこヽろを多連か
 志らゆふ
やし満へ三り

八十三・一の宮
本地正観音
さぬき一のミやの
 みまへ尓あふきヽて
かミのこヽろを
 た連か志らゆふ

八十三〃一之宮
 さぬき一のミやの御まへ尓あふきヽて
 神の古ヽ路をたれか志らゆふ
屋嶋寺迄三里

八十四・屋島寺
本ぞん千志ゆ
 あづさゆミやし満のミや尓
 まふでつヽ
 いのりをかけていさむ
 ものヽふ
やく里へ一り

八十四・屋島寺
本尊千手観音
あづさゆミやしまの
 ミや尓まうでつヽ
いのりをかけて
 いさむものヽふ

八十四〃やしま寺
 あ川さ弓やしまの宮尓まうてつヽ
 いのりをかけよいさむものヽふ
やくりじまて一里

八十五・八栗寺
本ぞん志やうくハんをん
 本゛んのうをむねのちくハにて
 やくりをバ
 志ゆぎやう志やならで誰か
 志るべき
志どへ一り

八十五・八栗寺
本尊正観音
本んのうをむ年の
 ちくハ尓てやくりをバ
志ゆきやうしやならで
 たれか志るへき

八十五〃八栗寺
 煩悩をむ年の智火尓てやくりをハ
 志ゆぎやう志やならて誰か志るべし
志度寺迄一里半

八十六・志度寺
本ぞん十一めん
 いざヽらバこよひハこヽに
 志どのてら
 いのり能こえをミヽ尓
 ふ連つヽ
ながをへ一り

八十六・志度寺
本尊十一面観音
いざヽらハこよひハ
 こヽ尓志どの寺
いのり能こへを
 ミヽ尓ふれつヽ

八十六〃志度寺
 いざ佐らバこよひハ古ヽ尓志どの寺
 いのりのこゑをミヽ尓婦れつヽ
長尾寺迄一里

八十七・長尾寺
本ぞん志やうくくハんをん
 阿しび記の山鳥の尾の
 ながをでら
 秋の夜すがらミだを
 となへよ
大く本へ四り

八十七・長尾寺
本尊正観音
阿しひきの山とり能
 尾のなかをてら
あき能よすから
 ミたをとなへよ

八十七〃長尾寺
 足曳の山鳥のをのなか尾梵
 秋の夜春からミた越となえよ
大久保寺まて四里

八十八・大窪寺
本ぞんやくし
 なむやくし諸病なか連と
 ねがひつヽ
 参連る人ハお本く本の
 てら
きり者たへ五り  』

八十八・大窪寺
本尊薬師如来
なむやくし諸病
 なかれとぬかひつヽ
まゐれる人盤
 お本く本の寺

八十八番大窪寺
 なむやくし諸病なかれと祢がひつヽ
 まいれ累人盤大く本農寺
きり者た寺まて五里





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