御室本山・仁和寺参詣の記念品(刷り物)のこと
善通寺紀要 第19号より



 その5



【御詠歌】 つづき

A・四国地図


※『道指南』貞亨四年一六八七

四十・観自在寺
本ぞんやくし
 志んくハんや志さいの春に
 者なさ記て
 う記世のが連てすむや
 けだもの
いなりへ十三り

四十・観自在寺
本尊薬師如来
志んぐハんや志さいの
 春尓者なさきて
うきよ乃が連て
 すむやけだもの

四十〃観自在寺
 志んくハんや志さいの春に花さきて
 うきよのかれてすむや介たもの
いなりへ道すぢ三有、十三り

四十一・稲荷
本ぢ
 此かミハ三ごくるふの
 ミつきやうを
 満もりたまハんちかひ
 とぞきく
ぶつもくへ三十丁

四十一・稲荷
本地十一面観音
此かミハさんごく
 るふのミつけうを
まもりたまハん
 ちかひとぞきく

四十一〃稲荷宮
 此神ハ三國流布の密教を
 満も里給んちかひとそきく
佛木寺まて卅丁

四十二・仏木寺
本ぞん大にち
 草も木も仏尓な連る
 ぶつもくじ
 なをたのもし記きちく
 にんてん
阿けいしへ三り

四十二・佛木寺
本尊大日如来
くさも木も本とけ尓
 な連るぶつもくじ
な本たのもしき
 きちく尓んてん

四十二番佛木寺
 草も木も佛尓なれ累佛木寺
 猶堂のもしき鬼畜人天
あけいし寺まて三里

四十三・明石寺
本ぞん千志ゆ
 きくならく千手のちかひ
 ふしぎにハ
 大者んじやくもかろく
 あげいし
すがふへ二十一り

四十三・明石寺
本尊千手観音
きくならく千手の
 ちかひふしぎ尓ハ
大者んじやくも
 かろくあげいし

四十三〃明石寺
 きくならく千手の誓ふしき尓盤
 大者ん志やくもかろくあけいし
菅生山迄廿一里

四十四・菅生山
本ぞん十一めん
 今の世ハ大ひのめぐミ
 すがうさん
 徒い尓ハミだのちかひ
 をぞまつ
い王やへ一り

四十四・菅生山
本尊十一面観音
いまの世ハ大ひの
 めくミすがふざん
つゐ尓ハミだの
 ちかひをぞまつ

四十四番菅生山
 今のよハ大悲のめくミ菅生山
 徒ゐ尓盤弥陀のちかいをそま川 岩屋まて一里

四十五・岩屋寺
本ぞんふどう
 大志やうのいのるちからの
 介にい王や
 いしの中にもごくらく
 ぞある
志やうるりへ八り

四十五・岩屋寺
本尊不動明王
大志やうのいのる
 ちから能介尓い者や
いしの中にも
 ごくらくぞある

四十五番岩屋寺
 大聖の祈ちからの介尓岩屋
 石の中尓も極らくぞあ累
志やうるりじへ八里

四十六・浄瑠璃寺
本ぞんやくし
 ごくらくの志やうるりせかひ
 たくらべバ
 うくるくハらくハむくひ
 ならまし
やさかへ五丁

四十六・浄瑠璃寺
本尊薬師如来
ごくらくの志やうるり
 せかひたくらべハ
うくるくハらくハ
 むくひならまし

四十六番浄瑠璃寺
 ごく羅くの志やう瑠りせかい堂くらへハ
 うく累くハらくハむくひならまし
八坂寺迄五町

四十七・八坂寺
本ぞん阿ミだ
 花を見てうたよむ人ハ
 やさかでら
 さんぶつぜうのゑんと
こそきけ
さい里んへ一り

四十七・八坂寺
本尊阿弥陀如来
花を見てうた
 よむ人ハやさか寺
さんぶつぜうの
 えんとこそきけ

四十七番八坂寺
 花を見て歌よむ人ハやさか寺
 讃仏乗のゑんとこそきけ
西林寺まて一里

四十八・西林寺
本ぞん十一めん
 ミだぶつのせかひをたづね
 きヽたくバ
 にしの者やしのてらへ
 参連よ
志やうどへ二十五丁

四十八・西林寺
本尊十一面観音
ミだぶつのせかひを
 たづ年きヽたくハ
尓し能者やしの
 てらへまゐ連よ

四十八〃西林寺
 ミだぶつの世界をた徒年きヽたくハ
 にしの林の寺へまいれよ
浄土寺まて廿五町

四十九・浄土寺
本ぞん志やか
 十あくの王がミを春てず
 その満ヽ尓
 志やうどのてらへまいり
 こそ春連
者ん多へ十五丁

四十九・浄土寺
本尊釈迦如来
十あくの王がミを
 すてずそのまヽ尓
志やうどのてらへ
 まゐりこそすれ

四十九〃浄土寺
 十悪の王か身を捨春そのまヽ尓
 志やうとの寺へまいりこそ春れ
者んだじ迄十五町

五十・繁多寺
本ぞんやくし
 よろづこそ者ん多なりとも
 於こたら須
 志ゆびやうなか連とのぞミ
 いの連よ
いし手へ二十丁

五十・繁多寺
本尊薬師如来
よろづこそはんた
 なりともおこたらず
志ゆびやうなかれと
 のぞミいの連よ

一繁多寺
 萬こそ者んた成ともお古たら春
 志ゆひやうなかれとのそミいのれよ
石手迄廿丁

五十一・石手寺
本ぞんやくし
 西本うをよそとハミまじ
 あんやうの
 てらにまいりてうくる
 十らく
だいさんへ八丁

五十一・石手寺
本尊薬師如来
さい本うをよそとハ
 ミましあんやうの
てらへまいりて
 うくる十らく

五十一〃石手寺
 西方をよそとハ見まじ安養の
 寺尓まいりてうく累十らく
大山寺まて二里

五十二・太山寺
本ぞん十一めん
 だい山への本連ハあせの
 いで介連ど
 後の世於もへバなにの
 くもなし
ゑんミやうへ十八丁

五十二・太山寺
本尊十一面観音
たい山への本連バ
 あせ能いて介れど
のち乃世おもへハ
 な尓のくもなし

五十二番太山寺
 太山への本れハあせの出介れど
 のちよおもへハな尓のくもなし
圓明寺へ十八丁

五十三・圓明寺
本ぞん阿ミだ
 らいかうのミだのひかりの
 ゑんミやうし
 てりそふかげハよな  
 の月
ゑんめいへ九り

五十三・圓明寺
本尊阿弥陀如来
らいがう能ミたの
 ひかりのゑんめうじ
てりそふかげハ
 よなのつき

五十三番圓明寺
 来迎の弥陀の光の圓明寺
 てりそふ影ハよな  の月
延命寺迄九里

五十四・延命寺
本ぞんふどう
 くもりな記かヾミのゑんと
 ながむ連バ
 のこさ須かげをう川春
 ものかな
ミし満へ一り

五十四・延命寺
本尊不動明王
くもりなきかヾミの
ゑんとながむれ者
のこさずかげを
 うつ春ものかな

五十四〃延命寺
 くもりなき鏡のゑんと詠む連ハ
 の古さ須かけをう川春もの哉
別宮まて壱里

五十五・三島別宮
本ぢ
 此所ミし満尓ゆ免の
 さめ介連バ
 遍つくうとても於なじ
 すいしやく
たいさんへ一り二丁

五十五・三嶌別宮
本地大通智勝佛
此ところ見しま尓
 ゆめのさめぬれバ
べっくうとても
 をなじすいしやく

五十五番三嶋宮
 此所見し満尓ゆめのさめ介れバ
 遍川くうとてもおなじ春い志やく
泰山寺まて一里二丁

五十六・泰山寺
本ぞんぢぞう
 みな人の参りてやがて
 たいさんじ
 来世のいんだう多のミ
 を記つヽ
や王たへ十八丁

五十六・泰山寺
本尊地蔵菩薩
ミな人のまゐりて
 やかてたいさんじ
来世のゐんたう
 たのミおきつヽ

五十六〃泰山寺
 皆人のまりてやかてたいさんじ
 来世のゐんだうたのミおき徒ヽ
や王た宮まて十八町

五十七・八幡宮
本ぞん阿ミだ
 この世にハゆミやを満もる
 やハたなり
 らい世ハ人をすくふ
 ミだぶつ
さ連いへ二十丁

五十七・八幡宮
本地阿弥陀如来
この世尓ハゆミやを
 まもるやハたなり
らいせハ人を
 すくふミだぶつ

五十七〃八幡宮
 このよ尓盤弓箭を守るや者た也
 来世ハ人をすくふ彌陀佛
佐禮迄廿町

五十八・佐礼山
本ぞん千志ゆ
 立よりてさ連いのどうに
 や須ミつヽ
 六じをとなへきやうを
 よむべし
こくぶんへ一り

五十八・佐礼山
本尊千手観音
たちよりてさ連いの
どう尓やすミつヽ
六じをとなへ
 きやうをよむべし

五十八〃佐禮山
 立よりてされいの堂尓や春ミ徒ヽ
 六字をとなえ經をよむへし
国分寺まて一里

五十九・国分寺
本ぞんやくし
 志ゆごのためとても阿がむる
 こくぶんじ
 以よ/\免ぐむやくし
 なり介り
よこミねへ六り

五十九・國分寺
本尊薬師如来
志ゆごのためとても
 あがむるこくぶんし
いよ/\めぐむ
 やくしなり介り

五十九〃國分寺
 志ゆこのためとてもあかむる國分寺
 いよ/\めくむやくしなり介り
よこミ年じまて六里

六十・横峯寺
本ぞん大にち
 たてよこにミねや山べ尓
 てら立て
 あまねく人をすくふ
 ものかな
かうをんへ三り

六十・横峯寺
本尊阿弥陀如来
たてよこ尓ミねや
 山べ尓てらたて
あま年く人を
 すくふものかな

六十横峯寺
 縦横尓ミ年や山邊尓寺堂てヽ
 あま年く人を春くふ物か那
かうおんじまて三里

六十一・香苑寺
本ぞん大にち
 後の世ををそるヽ人ハ
 かうをんじ
 とめてとまらぬ志ら
 たきの水
一のミやへ八丁

六十一・香苑寺
本尊大日如来
のち能よをおそるヽ
 人ハかうをんじ
とめてとまらぬ
 志らたきの水

六十一〃香園寺
 後のよ越おそ流ヽ人ハかうおんし
 とめてとまらぬしらたきの水
一のミやへ八丁

六十二・一の宮
本ぞん十一めん
 さミだ連のあとに出たる
 玉の井ハ
 志ら徒本なるや一の
 ミや川
きち志やうへ七丁

六十二・一の宮
本地十一面観音
さミたれのあと尓
 出たる玉の井ハ
志らつ本なるや
 一のミや川

六十二〃一之宮
本ぞん十一めん
 さミたれのあと尓出たる玉の井盤
 志ら徒本なるや一の宮川
吉祥寺まて七町

六十三・吉祥寺
本ぞんびしやもん
 ミの中の阿し記ひ本うを
 うちすてヽ
 ミなきちじやうをのぞミ
 いの連よ
まへがミへ一り

六十三・吉祥寺
本尊毘沙門天
ミの中のあしき
 ひ本うをうちすてヽ
みなきちじやうを
 のぞミいの連よ

六十三番吉祥寺
 ミの中の阿しきひ者うを打春亭ヽ
 ミ那きち志やう越のそミいのれよ
里まへ神寺へ一里

六十四・里前神寺
本ぞん阿ミだ
 まへハかミうしろハ本とけ
 ごくらくの
 よろづのつミをくだく
 石つち
三かくへ十り


詠歌64番

六十四・里前神寺
本尊阿弥陀如来
まへハかミうしろハ
 本とけこくらくの
よろづのつミを
 くだく石づち



里前神寺

六十四番里前神寺
 前ハ神うしろハ佛こくらくの
 よろ川の徒ミをくだくいし徒ち
三角寺へ十里

六十五・三角寺
本ぞん十一めん
 於そろしやミつのかどにも
 いるならバ
 こヽろをまろくミだを
 ねんぜよ
うん遍んへ五り

六十五・三角寺
本尊十一面観音
おそろしやミつの
 かど尓もいるならバ
こヽろをまろく
 ミだを年んぜよ

六十五番三角寺
 おそ路しや三つの角尓も入ならは
 心をま路くミだ越祢ん世与
雲邊寺まて五里





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