細川家も報告書には、「巡礼者の出身地―遍路文化の地域圏―」として円グラフ(出身者別にみる巡礼者の割合)と「都道府県別にみる納札の枚数」などの記事がある。これらと今回の札類との比較考証と言うほどのことにはならないが、今回石川家の札について、数は少ないのだが県別に集計してみた。 北海道 1 / 青森 3 / 神奈川 3 / 新潟 3 / 長野 1 / 福井 1 / 愛知 10 / 滋賀 5 / 京都 5 / 大阪 10 / 三重 1 / 和歌山 3 / 兵庫 4 / 岡山 3 / 鳥取 2 / 広島 12 / 山口 3 / 徳島 16 / 高知 3 / 愛媛 57 / 香川 11 / 福岡 24 / 佐賀 2 / 長崎 2 / 大分 11 / 熊本 8 / 宮崎 2 / 鹿児島 1 計 208枚
昭和初期つまり昭和九年の弘法大師空海御入定千百年忌ころの愛媛県遍路街道近くの村で受納した札類である。 地域的な目立ったこととして。北海道と鹿児島の札がわずか一枚ながらあったこと。東北からは青森からしかなかっ たことも、距離的なことが考えられるようだ。逆に西国の札が多かったのは当然と言え、愛知・大阪は今に遍路人の 多いところだ。広島も然り。九州は福岡・大分・熊本が多かった。やはり現状にも通じ傾向であると思われる。 |