【若狭参り】 紅葉につられて銀杏が黄葉化してきだした。前回紹介の駄家風景もそろそろ雪に追い立てられて静かな眠りに耽ることだろう。秋風はアッと言う間に過ぎ去った感。先週19日だったか、こちら四国は随分と寒く、石鎚山辺も冠雪。季語通りの冬模様を呈していたようであるが、小生らは若狭参りを果たした。小春日和並みの温暖な一日、西国と東国の雨天模様が信じられない、社寺連詣。 昭和53年の新婚旅行では社前の写真と、そこに参ったという記憶のみが残っているが、おだやかであった若狭の海にふさわしく、神宮寺境内もホッコリと、ちょうど中型バスの一団について本堂に参り、老僧の説明に聞き入ったのである。少し冗長に、しかし奈良東大寺や神仏分離・廃仏毀釈の話は面白かった。 明治以降いかに庶民が毒された神仏観念に洗脳されてしまっているか、といった話。本堂は室町末期、また他所で見ることのない内陣の様子など老僧の語りは抜群であった。絵葉書をみながら感嘆・嘆息しばしの刻を味わっている所である。 実は本稿、俳諧の反故文をいじろうとしていたのであるが、夜陰にも明らかに進み来る若狭の風に頬をさすられて斯くの如し。彦神社・姫神社については猶又「えもいわれぬ」感慨があるのであるが…。 -H25.11.26-
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