H25.2.3
これは国本屋政蔵が平地屋(岩平)に上方での仕入れを依頼したものである。前段「婦乃り」や「九寸はけ・丸はけ」に続いて上記三点がある。【蘇芳あ王】スオウアワは顔料というか染料である。絵具。 「蘇芳」は花の名前。以前は庭にあったが、今は見かけない。紫色の花粒だったように思う。なお文字の「蘇芳」は木ヘンの「枋」である。少し長くなるが広辞苑の説明を引用しようと思う。(一部省略) @マメ科の小灌木。インド・マレー原産。枝に小さい刺がある。葉は羽状複葉。黄 色五弁花は円錐花序をなす。木質・楕円形の莢(キョウ、さや)を結び、中に三、四個の種子を含む。心材の削屑及び莢は煎じて、上代から重要な赤色染料とされた。 次にA蘇芳の心材の煎汁染めた黒みを帯びた紅色。主要色素はブラジレインで、明礬媒染で赤色、灰汁で赤紫、鉄媒染では紫色に染めることができる。 B襲(かさね)の色目。表は薄茶色、裏は濃赤色。蘇芳襲。 襲(かさね)のことも興味あるが、ここではさらに「あ王」=アワの話。実はこれは「花」なのである。「蘇芳花(すおうばな)」の説明項目があったのに驚き、さらにその説明にも関心させられたのである。アワは花なのである。海が荒れると浪の塩吹雪が飛んでいることを思い出せばよい。泡は花なのである。【蘇芳花】
もう一点、【ずみ】であるが、これの広辞苑の項目も面白い。冬の夜長に足の冷たさもそっちのけに目を通す事が出来るのである。スミ・墨では無い。 ずみ【桷・棠梨】
日本画家達にとっては常識なのかもしれないが、日本独特の色を使った実物の絵を目にする日を楽しみにしているところである。何か有名な絵があると思われる。 |