駄家通信 23



−鯉パクA−

これは珍しい〈善光寺如来宝印〉である…
善光寺では「御印文頂戴」という信者への宝印を授与する正月行事があるが、この時に配布されるもの。前記引用書の説明はこれだけである。印字の説明であるが、「本師如来」とは、善光寺血脈の最高仏の阿弥陀如来のことである。…
『四国辺路研究』第14号26頁より

 さらに本師如来左右の言葉であるが、当時の読みは間違っていたようで、実際は「仰牛王」のようだ。このことについては今までどこにでも発表されていないようである。当初は「仰」を「印」に解していたのである。昨年古道センターで眼にして再考、どうやら「仰」と理解したのである。
 この「仰」が即ち「パク」なのである。蛇足ながら「」ゲンは「あぎと(う)」、つまり「あご」の事である。朱印をよく見て貰えれば納得して頂けるものと思いますが、如何でしょうか?


参考書

『牛玉宝印 祈りと誓いの呪符』町田市立博物館 1991
『國史學』第187号 国史学会 平成18年
『日本の護符文化』千々和到編 弘文堂 平成22年





【冬の池は鯉も動きが鈍い。ノラ猫がすぐさま近寄ってくる。新居浜市瀧の宮池にて。】




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