その6 【四国開創一千百年記念】資料のこと イ「四國霊場開創一千百年傳道」印施〜愛媛県立歴史文化博物館蔵〜 四國霊場開創一千百年記念傳道 是に大正三年は我四國八十八ヶ霊場御開創より一千百年に當れり
弘法大師七ヶ誓願
大正三年三月 伊豫國松山市 霊場寺院中印施 *この刷り物の印施は、霊場「会」ではなくて、おこか松山の有志寺院で出したものである。当然に札所霊場寺院であったと考えられるが、内容としては、特に高野山への大師信仰を強調鼓舞している。 記念大法会を執したようであるが、何処でどのようにされたものか不明。後掲石造資料(※9)からは、四十九番浄土寺であったのではと考えられる。四国霊場開創一千百年及び千百五十年紀念の供養塔はその大きさに相俟って、四国霊場開創の弘仁六年説を、真偽に関わらず強く高揚させようとしているではないか。 ロ スタンプ印について 全容を把握するに至っていないが、ほとんどの本札所寺院で準備していたようである。高野山では「大正四年 四國開創千百年紀念 高野山奥之院」。また、四国六十番前札として「四國開創壱千百年 参拝紀念 六十番霊刹清樂寺」も見られた。先にも触れたが、番外柳水庵・月頂山慈眼寺・行基庵・歓喜光寺・四拾番奥院龍光寺・十夜橋・正善寺・椿堂常福寺・仙龍寺・箸蔵山・出釈迦寺奥院・善通寺特別版・海岸寺・高野山出張所讃岐新高野山・長尾寺奥院や真念庵のスタンプ印もあった。 ハ 紀念石塔など
※9 四十八番浄土寺大師堂前の供養碑 一対 四十八番浄土寺 ※10 山口県下関・重藤ヨネ ※11 「伊予のつわもの遍路 すし駒こと日野駒吉」〜四国辺路研究第八号〜 |