御室本山・仁和寺参詣の記念品(刷り物)のこと
善通寺紀要 第19号より



 その4



【御詠歌】 つづき

A・四国地図


※『道指南』貞亨四年一六八七

二十四・東寺
本ぞんこくうぞう
 ミやう志やうの出ぬる方の
 ひがしでら
 くらき満よひハなどか
 あらまし
徒でらへ一り

二十四・東寺
本尊虚空蔵菩薩
ミやう志やう能出ぬる
かたのひがしてら
くら記まよひハ
などかあらまし

廿四〃東寺
 明星の出ぬるかたのひかしでら
 くらきまよひハなとかあらまし
津寺まて壱里

二十五・津寺
本ぞんこくうぞう
 のり能ふねいるか出るか
 此つでら 
 満よふ王がミをのせて
 給へや
にしでらへ一り

二十五・津寺
本尊地蔵菩薩
のり能ふ年いるか
 いづるか此つでら
まよふ王がミを
 のせてたまへや

廿五〃津寺
 のりのふ年入か出類か此津てら
 まよふ王か身をのせて給へや
西寺迄壱里

二十六・西寺
本ぞんやくし
 ワうじやうにのぞミをかくる
 ごくらくハ
 月のかたふくにし寺の
 そら
かうのミねへ七り

二十六・西寺
本尊薬師如来
王う志やう尓のそミを
 かくるごくらくハ
月のかたぶく
 尓し寺のそら

二十六〃西寺金剛頂寺とも
 徃生尓のそミをかく累ごく楽盤
 月のかたふく尓し寺の空
かうのミねじ迄七里

二十七・神峯寺
本そん十一めん
 三ぶつのちかひのこヽろ
 かうのミね
 やい者のぢごくたとひ
 ありとも
大にちへ九り

二十七・神峯寺
本尊十一面観音
三ふ川のちかひ能
 こヽろかうのミ年
やい者のぢごく
 たとひありとも

二十七〃神峯寺
 三仏のちかいの古ヽ路かうのミ年
 やい者のぢごくたとひ有とも
大日寺まて九里

二十八・大日寺
本ぞん大にち
 徒ゆ志もとつミをてらせる
 大にちじ
 などか阿ゆミを者こバ
 さらまし
こくぶんへ一り半

二十八・大日寺
本尊大日如来
徒ゆ志もとつミを
 てらせる大尓ちじ
などかあゆミを
 者こバざらまし

廿八番大日寺
 徒ゆしもとつミをてらせ累大日寺
 なとかあゆミ越者こ者ざらまし
国分寺へ壱里半

二十九・国分寺
本ぞん千志ゆ
 国をワけたからをつミて
 多つ寺の
 すへの世までの里やく
 のこせり
一のミやへ一り半

二十九・國分寺
本尊千手観音
く尓ヲ王けたからを
 つミてたつ寺の
すへの世まで能
 里やくのこせり

廿九〃國分寺
 國を王けたから越徒ミてた川寺の
 春への世まての里やくのこせり
一宮まて一里半

三十・一の宮
本ぞん阿ミだ
 人お本く立あつま連る
 いちのミや
 むかしもいまもさかへ
 ぬるかな
五□いへ二り

三十・一の宮
本地阿弥陀如来
人お本く立あつ
 まれるいちのミや
むかしもいまも
 さかへぬるかな

三十〃一之宮
 人おほく立あつまれ流一の宮
 むかしもいまもさかえぬる哉
五臺山迄二里

三十一・五臺山
本ぞんもん志ゆ
 なむもんじゆミよの仏の
 者ヽときく
 ワ連も子なれバちこそ
 本し介連
ぜんじぶへ一り半

三十一・五臺山
本尊文殊菩薩
なむもんじゆミよの
 本とけの者ヽときく
王れもこなれバ
 ちヽそ本し介連

三十一〃五臺山
 なむもん志ゆ三世の仏の母ときく
 王れも子なれバちこそほし介れ
ぜじぶじへ一里半

三十二・禅師峯寺
本ぞん十一めん
 志づかなる王がミなもとの
 ゼんじぶ寺
 うかふこヽろハのり能
 者や舟
かうふくへ二り半

三十二・禅師峯寺
本尊十一面観音
志川かなるワがミな
 もとのぜんじぶし
うかふこヽろハ
のり能はやふ年

卅二〃禅師峯寺
 志川か那累王がみなもとのせんしふし
 うかふ古ヽ路ハの里農者やふ年
かうふくじまて壱里半

三十三・高福寺
本ぞんやくし
 たびのミちうへしも今ハ
 かうふくじ
 後の多のしミあり
 阿けの月
たねまへ二り

三十三・高福寺
本尊薬師如来
たびのミちうへしも
 いまハかうふくじ
のち能たのしミ
 あり阿けの月

卅三〃高福寺
 たびの道うえしもいまハかうふくじ
 のちのたのしミ有明の月
種間寺へ二里

三十四・種ま寺
本ぞんやくし
 世中にま介る五こくの
 多ねまでら
 ふか記によらいの大ひ
 なり介り
きよた記へ二り

三十四・種ま寺
本尊薬師如来
世の中にま介る五
 こくの多年ま寺
ふかき尓よらいの
 だいひなり介り

卅四〃種間寺
 世中尓ま介る五こくのた年ま寺
 ふかき如来の大ひなり介り
きよたきへ二里

三十五・清瀧寺
本ぞんやくし
 すむ水をくむハこヽろの
 きよた記じ
 なミの者なちるい王の
 者ごろも
志やう里うへ二り半

三十五・清瀧寺
本尊薬師如来
すむ水をくむハ
 こヽろのきよたきじ
なミの者なちる
 い者のはごろも

卅五番清瀧寺
 すむ水を汲ハ心のきよたきし
 なミの者那ちる岩の羽衣
青龍寺迄二里半

三十六・青龍寺
本ぞんふどう
 王づかなる泉水にすめる
 志やう里うハ
 ぶつハうしゆごのちかひ
 とぞきく
にいだへ十三り

三十六・青龍寺
本尊不動明王
わづかなる泉水尓
 すめる志やう里うハ
ぶつハう志ゆごの
 ちかひとぞきく

卅六〃青龍寺
 王徒かなる泉水にすめる青龍ハ
 仏法守護のちかいとそきく
仁井田迄十三里

三十七・五社
本ぢ
 六ツのちり五つのやしろ
 阿らハして
 ふかきにいだのかミの
 多のしミ
あし春りへ二十一り

三十七・五社
本地阿弥陀如来
むつのちり五つの
 やしろあらハして
ふかきにいだ能
 かミのた能しミ

卅七番五社
 むつのちり五川のやしろあらハして
 ふかき尓いたの神のたのしミ
あしすり迄廿壱里

三十八・蹉
本ぞん千志ゆ
 ふだらくやこヽハミさ記の
 ふねのさ保
 とるも春つるものり能
 さ多山
てら山へ十二り

三十八・蹉
本尊千手観音
ふだらくやこヽハ
 ミさ記のふね能さ本
とるもすつるも
 のり能さた山

卅八〃蹉
 ふたらくや古□越みさ□の舟さ本
 と流もす川累ものりさた山
寺山迄十二里

三十九・寺山
本ぞんやくし
 なむやくし諸病志つぢよの
 ぐハんこめて
 まいる王がミを多春け
 まし満セ
く王ん志ざいへ七り

三十九・寺山
本尊薬師如来
なむやくし諸病
 志つぢよのぐハんこめて
まゐる王がミを
たすけまし満せ

卅九〃寺山院
 南無薬師諸病悉除の願古めて
 まひ累王か身をた春けましまセ
くハんじざいじまて七里





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