駄家通信 32



【反古話―樵眠蔵本―】

 本の題名は不明。なれど謡曲か何かのようでもある。後述予定の『誓願寺』も含まれていたのかも知れない。


皇都版本


右之本者觀世左近太夫
以章句真本今亦新令改
版者也
享保十八癸丑歳仲呂 印1
 皇都二條通御幸町西入町
山本長兵衛 印印


 印1、これは販売店か。「東豫 □分・・儀」とある。□は上か、国かであろう。
 1733年四月(仲呂)の出版。
 次の印二つは丸印朱文字「本家」、角印も「本家」。本やの意か。
 皇都、つまり京都での出版であった。
 近世の出版は上方(大坂)が盛んであったが、江戸、名古屋、京などでも 行われていた。
 もっと言うならば四国の片田舎でも遍路相手の出版物があったのである。そうした地方出版の様相、歴史については未解明の部分だらけのせかいであるが、縁に触れて教えられることも有る。
H250529




駄家通信 31 / 駄家通信 トップ / 駄家通信 33